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Race Review — 2025年10月19日

秋華賞G1

京都 3回7日目 11R 芝2000m(Aコース) 馬場 良・天候 曇 18頭 勝時計 1:58.3

先行馬の複勝圏率が基準の1.62倍という、この1年のG1で最も強い前有利。基準より4.2速い前傾ラップにもかかわらず、4角2番手と1番手が1・2着に残った。1番人気カムニャックは4角3番手の絶好位から1.9秒差の16着。

結果

詰め幅=上り3F地点の先頭との差 − ゴール着差
着馬番馬名騎手人気タイム着差 3角→4角上り3F詰め馬体重
1 11 エンブロイダリー牝3・55kg ルメール 2 1:58.3 ― 2→2先 35.26 +0.1 488+6
2 10 エリカエクスプレス牝3・55kg 武豊 5 1:58.4 0.1 1→1逃 35.48 -0.1 462+0
3 18 パラディレーヌ牝3・55kg 丹内祐次 6 1:58.5 0.2 14→10差 34.41 +0.9 502+6
4 3 ジョスラン牝3・55kg 岩田望来 4 1:58.8 0.5 11→13追 34.73 +0.6 472+2
5 13 セナスタイル牝3・55kg 岩田康誠 3 1:58.8 0.5 14→14追 34.62 +0.7 434+0
6 14 ビップデイジー牝3・55kg 西村淳也 9 1:59.0 0.7 6→6差 35.510 -0.2 442+10
7 7 クリノメイ牝3・55kg 酒井学 17 1:59.0 0.7 14→15追 34.73 +0.6 454+2
8 2 ルージュソリテール牝3・55kg 北村友一 12 1:59.2 0.9 9→9差 35.48 -0.1 450+2
9 15 インヴォーグ牝3・55kg 団野大成 14 1:59.2 0.9 3→3先 35.813 -0.5 502+6
10 9 マピュース牝3・55kg 横山武史 10 1:59.2 0.9 9→10差 35.37 +0.0 488+0
11 6 ケリフレッドアスク牝3・55kg 西塚洸二 11 1:59.3 1.0 8→7差 35.712 -0.4 458+2
12 12 ヴーレヴー牝3・55kg 菱田裕二 16 1:59.4 1.1 11→10差 35.510 -0.2 494+6
13 16 ランフォーヴァウ牝3・55kg 小崎綾也 18 1:59.6 1.3 17→15追 35.15 +0.2 460-4
14 8 テレサ牝3・55kg 松山弘平 8 1:59.8 1.5 6→7差 36.214 -0.9 444+6
15 1 ダノンフェアレディ牝3・55kg 坂井瑠星 7 2:00.0 1.7 3→3先 36.715 -1.4 470-12
16 17 カムニャック牝3・55kg 川田将雅 1 2:00.2 1.9 3→3先 36.916 -1.6 490+8
17 4 レーゼドラマ牝3・55kg 藤岡佑介 15 2:02.1 3.8 17→18追 37.617 -2.3 474-2
18 5 ブラウンラチェット牝3・55kg 池添謙一 13 2:07.0 8.7 11→15追 42.918 -7.6 440-2

単勝 550 / 複勝 240・560・550 / 枠連 2,530 / 馬連 5,280 / 馬単 8,170 / 3連複 29,560 / 3連単 129,850

ラップとペース

基準=同コース・馬場良の平均(n=162)

今回のペース

超ハイペースRPCI 50.8 50 = 前後半おなじ速さ このコースの平常 55.0 基準より -4.2
指標今回コース基準差
前半3F35.6 36.57-1.0
後半3F35.3 35.03+0.3
RPCI50.8 55.0-4.2

RPCI は前半3Fと後半3Fの速さを比べた指数で、秒ではない。 前後半がまったく同じ速さなら ちょうど 50 になり、 50より大きいほど後半が速い=前半が緩い(スロー)、小さいほど前半から速い(ハイペース)。 ただし平常値はコースごとに違う(ダートは50前後、芝の長距離は55を超える)ので、 このサイトでは絶対値ではなくそのコースの平常との差で判定している。 前半3F・後半3Fは秒で、実測ラップから取る。ラップ未取得のレースは1200m戦のみ RPCI から逆算し(誤差 MAE 0.025秒で検証済み)、それ以外の距離は「―」と表示する。 コース基準は同じ競馬場・同じ距離・同じ馬場状態の平均。

上がり3F11.1 12.6 12.5111.1212.0312.1411.7511.9611.7711.7811.6912.010ハロン

今回同コース・同距離の平均(162走)縦軸は上ほど速い。線が上がった区間がペースアップ。

同じレースの過去

このレースが過去にどう流れたか。前3F・後3Fは実測ラップで、決まり手の横の 「推」はラップ未取得のため RPCI から逆算した値であることを示す。

年場前3F後3F勝時計 1着4角2着4角決まり手
2016京都 35.834.4 1:58.6 86 差
2017京都重 35.637.0 2:00.2 96 差
2018京都 35.735.2 1:58.5 121 差
2019京都稍 34.636.4 1:59.9 57 差
2020京都稍 34.936.4 2:00.6 513 差
2021阪神 36.636.5 2:01.2 410 先
2022阪神 35.734.8 1:58.6 49 先
2023京都稍 36.434.0 2:01.1 312 先
2024京都 34.536.7 1:57.1 713 差
2025京都 35.635.3 1:58.3 21 先

トラックバイアス

3回京都 6〜7日目(10/18〜19 計2日)の芝全レース
前有利確度: やや3着内の4角位置率 基準比 -0.034 / 先行馬の複勝圏率 基準の1.62倍

クッション値10.8+0.8かなり硬め芝含水率8.3%-1.3乾燥数値の傾き 前残り寄り

クッション値と含水率はJRA発表の実測値。右の数字は同じ競馬場の直近3年・同じ月の平均との差で、絶対値は場ごとに常態が違うため見ない。過去17,103レースの集計では、芝は平年より硬いほど前が残り湿るほど差しが届き、ダートは湿るほど前が残る。ただし効き幅はバイアス判定の閾値には届かず、傾きを少し押す程度。

脚質バイアス(同じ開催週の年別比較)

4角位置率=(4角順位−1)÷(頭数−1)。0が先頭、1が最後方で、小さいほど前が有利。 複勝圏率は4角2番手以内につけた馬が3着以内に入った割合。最下段の「基準」は、この競馬場・ この馬場種別の全期間平均。

年1〜3着の4角位置率4角2番手以内の複勝圏率母数
2023 0.327 27.3% 33
2024 0.320 33.3% 30
2025 0.273 66.7% 24
2026 0.250 63.3% 30
基準0.308 40.8% 11,312

時計水準(比較できたレースのみ)

この開催週の全レース一覧ではない。同条件(距離×クラス×馬場状態)の 過去の勝ち時計が5件以上あるレースだけを載せている。少ない標本の中央値と比べても 偶然に振り回されるため。道悪の日は該当条件が少なく、載らないレースが多くなる。 マイナスは過去中央値より速い=時計の出る馬場。

日R条件勝時計同条件の過去中央値との差標本
10/183R 1600m 未勝利良 1:35.4 +1.1 n=53
10/185R 1600m 新馬良 1:34.8 -0.6 n=27
10/187R 2000m 1勝良 2:00.3 +0.2 n=25
10/1810R 2200m 2勝良 2:13.7 -0.1 n=10
10/1812R 1400m 1勝良 1:20.5 -0.5 n=21
10/192R 1800m 未勝利良 1:47.4 +0.3 n=43
10/194R 1400m 新馬良 1:22.2 -0.3 n=11
10/195R 2000m 新馬良 2:02.1 +0.1 n=18
10/198R 1600m 2勝良 1:33.3 -0.0 n=20

上がり最速馬はどこまで来たか

この開催週の各レースで、メンバー最速の上がり3Fを使った馬の着順。 6着以下なら赤で示す。速い脚を使った馬が届いていないほど、前が止まらない馬場だったことになる。

レースの読み

ラップは 12.5-11.1-12.0-12.1-11.7-11.9-11.7-11.7-11.6-12.0。前半3F 35.6・後半3F 35.3で、RPCI 50.8は京都芝2000m良の基準55.0を4.2下回る。数字だけ見れば先行勢には厳しいはずの流れだった。

ところが決着は前残り。1着エンブロイダリーが4角2番手、2着エリカエクスプレスが1番手で、この日の京都芝は先行馬の複勝圏率が基準の1.62倍。位置差 -0.034と合わせて「前有利・やや」の判定だが、1.62倍という倍率そのものはこの1年のG124戦で最も高い。前傾ラップを打ち消すだけの馬場の後押しがあった、と読むのが自然。

それを裏づけるのが上がり上位の着順。最速34.4のパラディレーヌが4角10番手で3着、2位34.6のセナスタイル(3番人気)が14番手で5着、3位34.7のジョスランが13番手で4着。上がり1〜3位がすべて10番手以降で、しかも全員が掲示板に乗りながら勝ち馬には届いていない。脚は使えたが位置が足りなかった、という典型的な形になる。

同レースの過去6年を見ると、勝ち馬の4角位置は 5・4・4・3・7・2 番手。もともと秋華賞は前めが残りやすいレースで、京都開催に戻ってからの傾向とこの年の馬場が同じ方向を向いた。クッション値10.8は同じ月の直近3年平均より0.8高く、芝含水率8.3%は1.3ポイント低い。硬くて乾いた高速馬場だったことも、前が止まらなかった説明になる。

問題は1番人気カムニャック。4角3番手という勝ち馬とほぼ同じ位置にいながら、上がり36.9(16位)・詰め幅 -1.6で1.9秒差の16着まで下がった。前有利の馬場で前にいて止まったのだから、展開の言い訳が立たない。ローズステークスを勝っての1番人気だったが、この敗戦は内容として重く見るべき。

全頭短評

着順・人気は結果、評価は内容ベース
1 11

◎エンブロイダリー

2人気
通過
2→2 先
上り3F
35.2 6位
詰め幅
+0.1
前走
優駿牝馬G1 9着 中21週

4角2番手。前有利の馬場を押し切ってG1初制覇

ルメール、2番人気。優駿牝馬9着から中21週。基準より4.2速い前傾を4角2番手で受けて押し切った。上がり35.2はメンバー6位で決め手で勝ったわけではないが、先行比1.62倍の馬場を味方にできる位置を取れたことが大きい。流れる展開で後ろから、という形になったときが次の課題。

2 10

エリカエクスプレス

5人気
通過
1→1 逃
上り3F
35.4 8位
詰め幅
-0.1
前走
オータムHG3 11着 中6週

5番人気2着。逃げて0.1秒差に粘った

武豊、5番人気。オータムハンデ11着から中5週。4角1番手から上がり35.4(8位)、詰め幅 -0.1で0.1秒差の2着。前傾ラップを自分で作って残しており、前有利の恩恵を最大限に使った形。

3 18

○パラディレーヌ

6人気
通過
14→10 差
上り3F
34.4 1位
詰め幅
+0.9
前走
ローズSG2 8着 中5週

4角10番手からメンバー最速34.4。0.2秒差3着

丹内祐次、6番人気。ローズステークス8着から中4週。18頭立ての4角10番手からメンバー最速34.4で0.9秒詰めての3着。前有利の馬場で後方から詰め幅0.9は、上位2頭より中身が濃い。差しが決まる条件なら逆転の目がある。

4 3

ジョスラン

4人気
通過
11→13 追
上り3F
34.7 3位
詰め幅
+0.6
前走
紫苑SG2 2着 中6週

4番人気4着。13番手から上がり3位で0.5秒差

岩田望来、4番人気。紫苑ステークス2着から中5週。4角13番手から上がり34.7(3位)で0.6秒詰めての4着。セナスタイルと同じく、位置の不利をそのまま背負った。

5 13

▲セナスタイル

3人気
通過
14→14 追
上り3F
34.6 2位
詰め幅
+0.7
前走
ローズSG2 3着 中5週

3番人気5着。4角14番手から上がり2位34.6

岩田康誠、3番人気。ローズステークス3着から中4週。4角14番手から上がり34.6(2位)で0.7秒詰めたが0.5秒差の5着。この馬場・この位置では物理的に届かない。着順は参考外でよい。

6 14

ビップデイジー

9人気
通過
6→6 差
上り3F
35.5 10位
詰め幅
-0.2
前走
ローズSG2 4着 中5週

4角6番手(差)から上がり35.5(メンバー10位)。直線で0.2秒失った。442kg(+10)、前走はローズSG2 4着(中5週)。

7 7

クリノメイ

17人気
通過
14→15 追
上り3F
34.7 3位
詰め幅
+0.6
前走
マリーG3 9着 中2週

4角15番手(追)から上がり34.7(メンバー3位)。直線で0.6秒詰めた。454kg(+2)、前走はマリーG3 9着(中2週)。

8 2

ルージュソリテール

12人気
通過
9→9 差
上り3F
35.4 8位
詰め幅
-0.1
前走
ローズSG2 10着 中5週

4角9番手(差)から上がり35.4(メンバー8位)。直線で0.1秒失った。450kg(+2)、前走はローズSG2 10着(中5週)。

9 15

インヴォーグ

14人気
通過
3→3 先
上り3F
35.8 13位
詰め幅
-0.5
前走
武田尾特・2勝 1着 中6週

4角3番手(先)から上がり35.8(メンバー13位)。直線で0.5秒失った。502kg(+6)、前走は武田尾特・2勝 1着(中6週)。

10 9

マピュース

10人気
通過
9→10 差
上り3F
35.3 7位
詰め幅
+0.0
前走
中京記念G3 1着 中9週

4角10番手(差)から上がり35.3(メンバー7位)。直線で変わらず。488kg(+0)、前走は中京記念G3 1着(中9週)。

11 6

ケリフレッドアスク

11人気
通過
8→7 差
上り3F
35.7 12位
詰め幅
-0.4
前走
紫苑SG2 1着 中6週

4角7番手(差)から上がり35.7(メンバー12位)。直線で0.4秒失った。458kg(+2)、前走は紫苑SG2 1着(中6週)。

12 12

ヴーレヴー

16人気
通過
11→10 差
上り3F
35.5 10位
詰め幅
-0.2
前走
ローズSG2 6着 中5週

4角10番手(差)から上がり35.5(メンバー10位)。直線で0.2秒失った。494kg(+6)、前走はローズSG2 6着(中5週)。

13 16

ランフォーヴァウ

18人気
通過
17→15 追
上り3F
35.1 5位
詰め幅
+0.2
前走
ローズSG2 15着 中5週

4角15番手(追)から上がり35.1(メンバー5位)。直線で0.2秒詰めた。460kg(-4)、前走はローズSG2 15着(中5週)。

14 8

テレサ

8人気
通過
6→7 差
上り3F
36.2 14位
詰め幅
-0.9
前走
ローズSG2 2着 中5週

4角7番手(差)から上がり36.2(メンバー14位)。直線で0.9秒失った。444kg(+6)、前走はローズSG2 2着(中5週)。

15 1

ダノンフェアレディ

7人気
通過
3→3 先
上り3F
36.7 15位
詰め幅
-1.4
前走
紫苑SG2 3着 中6週

4角3番手(先)から上がり36.7(メンバー15位)。直線で1.4秒失った。470kg(-12)、前走は紫苑SG2 3着(中6週)。

16 17

カムニャック

1人気
通過
3→3 先
上り3F
36.9 16位
詰め幅
-1.6
前走
ローズSG2 1着 中5週

1番人気が16着。前有利の日に絶好位から止まった

川田将雅、1番人気。ローズステークス1着から中5週。4角3番手と勝ち馬のすぐ後ろにいながら、上がり36.9(16位)・詰め幅 -1.6で1.9秒差の16着。先行馬が有利な馬場で先行して止まったので、展開要因では説明できない。次走も人気するようなら慎重に扱いたい。

17 4

レーゼドラマ

15人気
通過
17→18 追
上り3F
37.6 17位
詰め幅
-2.3
前走
クイーンG3 10着 中11週

4角18番手(追)から上がり37.6(メンバー17位)。直線で2.3秒失った。474kg(-2)、前走はクイーンG3 10着(中11週)。

18 5

ブラウンラチェット

13人気
通過
11→15 追
上り3F
42.9 18位
詰め幅
-7.6
前走
優駿牝馬G1 7着 中21週

4角15番手(追)から上がり42.9(メンバー18位)。直線で7.6秒失った。440kg(-2)、前走は優駿牝馬G1 7着(中21週)。

次走に向けて

先行比1.62倍はこの1年のG1で最も強い前有利。前傾ラップでも前が止まらなかった。

馬評価理由
パラディレーヌ 上げ 前有利の馬場で10番手から上がり最速、詰め幅0.9
セナスタイル 上げ 14番手から上がり2位。この馬場では届かない位置だった
ジョスラン 上げ 13番手から上がり3位。位置の不利をそのまま背負った
カムニャック 下げ 1番人気で前有利の日に3番手から16着。言い訳が立たない
「前傾ラップ=差し有利」が成り立たない例。ラップだけ、バイアスだけで判断すると読みを誤る。この日は馬場の後押しがラップの不利を上回った、と両方を並べて初めて説明がつく。