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Race Review — 2025年12月28日

有馬記念G1

中山 5回8日目 11R 芝2500m(Aコース) 馬場 良・天候 晴 16頭 勝時計 2:31.5

3番人気ミュージアムマイルが4角11番手からメンバー最速34.6で差し切り、16頭が1.3秒差にひしめく大接戦を制した。過去10年で勝ち馬の4角位置が6番手より後ろだったのはこの年だけ。逃げた4番人気メイショウタバルは13着まで下がった。

結果

詰め幅=上り3F地点の先頭との差 − ゴール着差
着馬番馬名騎手人気タイム着差 3角→4角上り3F詰め馬体重
1 4 ミュージアムマイル牡3・56kg C.デム 3 2:31.5 ― 11→11追 34.61 +1.0 502+2
2 10 コスモキュランダ牡4・58kg 横山武史 12 2:31.6 0.1 2→2先 35.56 +0.1 522+0
3 9 ダノンデサイル牡4・58kg 戸崎圭太 2 2:31.6 0.1 8→7差 35.04 +0.6 514+6
4 5 レガレイラ牝4・56kg ルメール 1 2:31.7 0.2 15→12追 34.61 +1.0 482+2
5 7 サンライズジパング牡4・58kg 鮫島克駿 13 2:31.8 0.3 15→16追 34.83 +0.8 524+0
6 16 タスティエーラ牡5・58kg 松山弘平 8 2:32.0 0.5 4→3先 35.79 -0.1 502+0
7 3 ジャスティンパレス牡6・58kg 団野大成 5 2:32.1 0.6 11→12追 35.25 +0.4 472+2
8 1 エキサイトバイオ牡3・56kg 荻野極 7 2:32.1 0.6 8→7差 35.56 +0.1 482+2
9 12 マイネルエンペラー牡5・58kg 丹内祐次 11 2:32.3 0.8 4→4先 35.910 -0.3 490+2
10 8 シュヴァリエローズ牡7・58kg 北村友一 14 2:32.4 0.9 11→12追 35.56 +0.1 ―
11 13 アドマイヤテラ牡4・58kg 川田将雅 9 2:32.4 0.9 4→4先 36.113 -0.5 498+4
12 15 エルトンバローズ牡5・58kg 西村淳也 16 2:32.6 1.1 7→7差 36.113 -0.5 514-6
13 6 メイショウタバル牡4・58kg 武豊 4 2:32.6 1.1 1→1逃 36.715 -1.1 512+4
14 2 シンエンペラー牡4・58kg 坂井瑠星 6 2:32.6 1.1 8→7差 36.012 -0.4 496-2
15 14 アラタ牡8・58kg 大野拓弥 15 2:32.8 1.3 11→12追 35.910 -0.3 494+10
16 11 ミステリーウェイセ7・58kg 松本大輝 10 2:32.8 1.3 2→4先 36.816 -1.2 500+0

単勝 380 / 複勝 170・1,070・150 / 枠連 600 / 馬連 22,520 / 馬単 29,210 / 3連複 16,580 / 3連単 131,710

ラップとペース

基準=同コース・馬場良の平均(n=72)

今回のペース

平均的な流れRPCI 52.8 50 = 前後半おなじ速さ このコースの平常 54.7 基準より -1.9
指標今回コース基準差
前半3F35.8 37.03-1.2
後半3F35.6 35.68-0.1
RPCI52.8 54.7-1.9

RPCI は前半3Fと後半3Fの速さを比べた指数で、秒ではない。 前後半がまったく同じ速さなら ちょうど 50 になり、 50より大きいほど後半が速い=前半が緩い(スロー)、小さいほど前半から速い(ハイペース)。 ただし平常値はコースごとに違う(ダートは50前後、芝の長距離は55を超える)ので、 このサイトでは絶対値ではなくそのコースの平常との差で判定している。 前半3F・後半3Fは秒で、実測ラップから取る。ラップ未取得のレースは1200m戦のみ RPCI から逆算し(誤差 MAE 0.025秒で検証済み)、それ以外の距離は「―」と表示する。 コース基準は同じ競馬場・同じ距離・同じ馬場状態の平均。

上がり3F11.0 13.1 11.0111.8212.2312.1412.6512.4612.0712.6812.3911.91011.61112.112ハロン

今回同コース・同距離の平均(72走)縦軸は上ほど速い。線が上がった区間がペースアップ。

同じレースの過去

このレースが過去にどう流れたか。前3F・後3Fは実測ラップで、決まり手の横の 「推」はラップ未取得のため RPCI から逆算した値であることを示す。

年場前3F後3F勝時計 1着4角2着4角決まり手
2016中山 36.135.9 2:32.6 32 先
2017中山 36.435.2 2:33.6 13 逃
2018中山稍 36.236.9 2:32.2 48 先
2019中山 35.137.6 2:30.5 97 差
2020中山 37.036.6 2:35.0 312 マ
2021中山 35.636.7 2:32.0 55 差
2022中山 36.035.9 2:32.4 36 先
2023中山 36.235.9 2:30.9 32 マ
2024中山 37.635.2 2:31.8 35 先
2025中山 35.835.6 2:31.5 112 追

トラックバイアス

5回中山 7〜8日目(12/27〜28 計2日)の芝全レース
差し有利確度: やや3着内の4角位置率 基準比 +0.003 / 先行馬の複勝圏率 基準の0.82倍

クッション値9.5-0.3軟らかめ芝含水率11.3%-0.1平年並み数値の傾き 平年並み

クッション値と含水率はJRA発表の実測値。右の数字は同じ競馬場の直近3年・同じ月の平均との差で、絶対値は場ごとに常態が違うため見ない。過去17,103レースの集計では、芝は平年より硬いほど前が残り湿るほど差しが届き、ダートは湿るほど前が残る。ただし効き幅はバイアス判定の閾値には届かず、傾きを少し押す程度。

脚質バイアス(同じ開催週の年別比較)

4角位置率=(4角順位−1)÷(頭数−1)。0が先頭、1が最後方で、小さいほど前が有利。 複勝圏率は4角2番手以内につけた馬が3着以内に入った割合。最下段の「基準」は、この競馬場・ この馬場種別の全期間平均。

年1〜3着の4角位置率4角2番手以内の複勝圏率母数
2021 0.253 39.3% 28
2022 0.299 36.7% 30
2023 0.206 48.3% 29
2024 0.224 46.7% 30
2025 0.256 36.7% 30
基準0.251 45.0% 14,987

時計水準(比較できたレースのみ)

この開催週の全レース一覧ではない。同条件(距離×クラス×馬場状態)の 過去の勝ち時計が5件以上あるレースだけを載せている。少ない標本の中央値と比べても 偶然に振り回されるため。道悪の日は該当条件が少なく、載らないレースが多くなる。 マイナスは過去中央値より速い=時計の出る馬場。

日R条件勝時計同条件の過去中央値との差標本
12/274R 2000m 未勝利良 2:01.9 +0.6 n=63
12/275R 1600m 新馬良 1:35.1 -0.9 n=34
12/277R 2200m 1勝良 2:14.7 +0.9 n=16
12/279R 1200m 2勝良 1:07.8 -0.3 n=32
12/2711R 2000m G1良 2:01.0 +1.0 n=8
12/2712R 2500m 3勝良 2:35.5 +3.1 n=6
12/283R 1200m 未勝利良 1:09.1 +0.0 n=17
12/286R 2000m 新馬良 2:03.6 +0.3 n=32
12/289R 2500m 2勝良 2:33.6 +1.1 n=19
12/2812R 1600m 3勝良 1:33.6 +0.4 n=19

上がり最速馬はどこまで来たか

この開催週の各レースで、メンバー最速の上がり3Fを使った馬の着順。 6着以下なら赤で示す。速い脚を使った馬が届いていないほど、前が止まらない馬場だったことになる。

レースの読み

ラップは 6.9-11.0-11.8-12.2-12.1-12.6-12.4-12.0-12.6-12.3-11.9-11.6-12.1。中盤で12.6-12.4、さらに9F目にも12.6が入って二度息が入り、そこからラスト3Fを11.9-11.6-12.1でまとめている。RPCI 52.8は中山芝2500m良の基準54.7を1.9下回る前傾寄り。前半3F 35.8・後半3F 35.6とほぼ均衡しており、数字の上では極端さのない流れだった。

それでも決着は差し優勢になった。この開催の中山芝は先行馬の複勝圏率が基準の0.82倍で、判定は「差し有利・やや」。上がり最速34.6を使ったのが4角11番手のミュージアムマイルと4角12番手のレガレイラ(1番人気)で、上がり上位3頭はいずれも中団より後ろ。5着サンライズジパング(13番人気)に至っては4角16番手=最後方から上がり34.8(3位)で0.8秒詰めている。

この結果は有馬記念としてはかなり珍しい。同レースの過去10年を見ると、勝ち馬の4角位置は2016年から順に 3・1・4・9・3・5・3・3・3番手で、9年中8年が5番手以内。9番手だった2019年(リスグラシュー)が唯一の例外だった。そこへ11番手からの勝利が出たのだから、この年の中山の差し有利は、有馬記念という条件に限れば十分に効いたと見てよい。

一方、前にいた組は苦しかった。4角1番手のメイショウタバル(4番人気)は上がり36.7(15位)・詰め幅 -1.1で13着。4角3番手のタスティエーラが6着に粘ったのが前では最先着で、先行勢で掲示板に乗ったのは2着コスモキュランダ(4角2番手)だけ。そのコスモキュランダは12番人気での2着で、位置の利を最大限に生かした形になる。

勝ち時計2:31.5は過去10年では中位。最も速い2019年(2:30.5)、2023年(2:30.9)には届かず、2024年(2:31.8)より0.3速い程度で、時計そのものに特筆すべきところはない。この日の中山はクッション値9.5(同じ月の直近3年の平均より0.3低い)、芝含水率11.3%(-0.1)とほぼ平年並みだった。

全頭短評

着順・人気は結果、評価は内容ベース
1 4

◎ミュージアムマイル

3人気
通過
11→11 追
上り3F
34.6 1位
詰め幅
+1.0
前走
天皇賞秋G1 2着 中8週

4角11番手から上がり最速34.6。10年ぶりの後方からの勝利

C.デムーロ、3番人気。天皇賞(秋)2着から中8週。16頭立ての4角11番手からメンバー最速34.6を使い、1.0秒詰めて差し切った。詰め幅はメンバー最大タイ。有馬記念で勝ち馬が6番手より後ろだったのは過去10年でこの年だけで、差し有利の馬場をはっきり味方につけている。前が止まらない条件でも同じ競馬ができるかが次の焦点。

2 10

○コスモキュランダ

12人気
通過
2→2 先
上り3F
35.5 6位
詰め幅
+0.1
前走
JCG1 9着 中4週

12番人気。4角2番手から粘ってクビ差2着

横山武史、12番人気。ジャパンカップ9着から中4週。差し有利の判定が出た日に4角2番手から0.1秒差まで粘った。上がりは35.5のメンバー6位で決め手で来たわけではないが、先行勢で掲示板に乗ったのはこの馬だけ。馬場に逆らっての2着は額面以上。

3 9

▲ダノンデサイル

2人気
通過
8→7 差
上り3F
35.0 4位
詰め幅
+0.6
前走
JCG1 3着 中4週

2番人気3着。7番手から上がり4位で0.6秒詰め

戸崎圭太、2番人気。ジャパンカップ3着から中4週。4角7番手と中団から上がり35.0(4位)で0.6秒詰めての3着。位置も脚もバランスよく、取りこぼしの少ないタイプ。

4 5

レガレイラ

1人気
通過
15→12 追
上り3F
34.6 1位
詰め幅
+1.0
前走
エリザベG1 1着 中6週

1番人気4着。12番手から上がり最速タイ34.6

ルメール、1番人気。エリザベス女王杯1着から中6週。4角12番手から勝ち馬と同じ34.6を使い、1.0秒詰めて0.2秒差の4着。位置はむしろ勝ち馬より後ろで、脚色は互角。届かなかったのは進路取りと位置の差で、負けて強しの内容。

5 7

サンライズジパング

13人気
通過
15→16 追
上り3F
34.8 3位
詰め幅
+0.8
前走
チャンピG1 8着 中3週

13番人気。最後方16番手から上がり3位で0.3秒差

鮫島克駿、13番人気。チャンピオンズカップ8着から中3週。ダートG1からの臨戦で、4角16番手=最後方から上がり34.8(3位)。0.8秒詰めて0.3秒差の5着まで押し上げた。人気薄でこの脚を使えたのは軽視できない。

6 16

タスティエーラ

8人気
通過
4→3 先
上り3F
35.7 9位
詰め幅
-0.1
前走
JCG1 7着 中4週

8番人気6着。差し有利の日に3番手から0.5秒差

松山弘平、8番人気。ジャパンカップ7着から中4週。4角3番手から上がり35.7(9位)、詰め幅 -0.1で0.5秒差の6着。差しが決まった日に前めで運んでこの着差なら、内容は着順より上。

7 3

ジャスティンパレス

5人気
通過
11→12 追
上り3F
35.2 5位
詰め幅
+0.4
前走
JCG1 5着 中4週

4角12番手(追)から上がり35.2(メンバー5位)。直線で0.4秒詰めた。472kg(+2)、前走はJCG1 5着(中4週)。

8 1

エキサイトバイオ

7人気
通過
8→7 差
上り3F
35.5 6位
詰め幅
+0.1
前走
菊花賞G1 3着 中9週

4角7番手(差)から上がり35.5(メンバー6位)。直線で0.1秒詰めた。482kg(+2)、前走は菊花賞G1 3着(中9週)。

9 12

マイネルエンペラー

11人気
通過
4→4 先
上り3F
35.9 10位
詰め幅
-0.3
前走
天皇賞春G1 5着 中34週

4角4番手(先)から上がり35.9(メンバー10位)。直線で0.3秒失った。490kg(+2)、前走は天皇賞春G1 5着(中34週)。

10 8

シュヴァリエローズ

14人気
通過
11→12 追
上り3F
35.5 6位
詰め幅
+0.1
前走
メルCG1 23着 中8週

4角12番手(追)から上がり35.5(メンバー6位)。直線で0.1秒詰めた。前走はメルCG1 23着(中8週)。

11 13

アドマイヤテラ

9人気
通過
4→4 先
上り3F
36.1 13位
詰め幅
-0.5
前走
JCG1 止着 中4週

4角4番手(先)から上がり36.1(メンバー13位)。直線で0.5秒失った。498kg(+4)、前走はJCG1 止着(中4週)。

12 15

エルトンバローズ

16人気
通過
7→7 差
上り3F
36.1 13位
詰め幅
-0.5
前走
マイルチG1 5着 中5週

4角7番手(差)から上がり36.1(メンバー13位)。直線で0.5秒失った。514kg(-6)、前走はマイルチG1 5着(中5週)。

13 6

メイショウタバル

4人気
通過
1→1 逃
上り3F
36.7 15位
詰め幅
-1.1
前走
天皇賞秋G1 6着 中8週

4番人気が逃げて13着。差し有利の日に前へ行った

武豊、4番人気。天皇賞(秋)6着から中8週。4角1番手から上がり36.7(15位)・詰め幅 -1.1で1.1秒差の13着。先行馬の複勝圏率が基準の0.82倍という日に単騎で行った結果で、ペース自体は極端でなかったぶん、この敗戦は馬場要因として度外視したい。

14 2

シンエンペラー

6人気
通過
8→7 差
上り3F
36.0 12位
詰め幅
-0.4
前走
JCG1 8着 中4週

4角7番手(差)から上がり36.0(メンバー12位)。直線で0.4秒失った。496kg(-2)、前走はJCG1 8着(中4週)。

15 14

アラタ

15人気
通過
11→12 追
上り3F
35.9 10位
詰め幅
-0.3
前走
福島記念HG3 4着 中5週

4角12番手(追)から上がり35.9(メンバー10位)。直線で0.3秒失った。494kg(+10)、前走は福島記念HG3 4着(中5週)。

16 11

ミステリーウェイ

10人気
通過
2→4 先
上り3F
36.8 16位
詰め幅
-1.2
前走
アルゼンHG2 1着 中7週

4角4番手(先)から上がり36.8(メンバー16位)。直線で1.2秒失った。500kg(+0)、前走はアルゼンHG2 1着(中7週)。

次走に向けて

過去10年で勝ち馬が6番手より後ろだったのはこの年だけ。差しが決まった有馬記念だった。

馬評価理由
ミュージアムマイル 上げ 11番手から上がり最速、詰め幅メンバー最大タイでG1制覇
レガレイラ 上げ 1番人気4着だが12番手から勝ち馬と同じ上がり。位置の差だけ
サンライズジパング 上げ 13番人気で最後方から上がり3位。ダートG1からの臨戦で0.3秒差
コスモキュランダ 上げ 差し有利の日に先行して唯一掲示板。馬場に逆らっての2着
タスティエーラ 上げ 差し決着の中で3番手から0.5秒差。着順より中身
メイショウタバル 条件替わり 差し有利の日に逃げての13着。前が残る馬場で見直したい
ラップは極端でないのに差しが決まった一戦。同レースの過去10年と並べて初めて「この年は後ろから届いた」と言えるので、単年のバイアス判定だけでなく、同じレースの歴史と照らして読みたい。