Race Review — 2025年12月28日
有馬記念G1
中山 5回8日目 11R
芝2500m(Aコース)
馬場 良・天候 晴
16頭
勝時計 2:31.5
3番人気ミュージアムマイルが4角11番手からメンバー最速34.6で差し切り、16頭が1.3秒差にひしめく大接戦を制した。過去10年で勝ち馬の4角位置が6番手より後ろだったのはこの年だけ。逃げた4番人気メイショウタバルは13着まで下がった。
ラップとペース
基準=同コース・馬場良の平均(n=72)
今回のペース
平均的な流れRPCI 52.8 50 = 前後半おなじ速さ このコースの平常 54.7 基準より -1.9
| 指標 | 今回 | コース基準 | 差 |
| 前半3F | 35.8 |
37.03 | -1.2 |
| 後半3F | 35.6 |
35.68 | -0.1 |
| RPCI | 52.8 |
54.7 | -1.9 |
RPCI は前半3Fと後半3Fの速さを比べた指数で、秒ではない。
前後半がまったく同じ速さなら ちょうど 50 になり、
50より大きいほど後半が速い=前半が緩い(スロー)、小さいほど前半から速い(ハイペース)。
ただし平常値はコースごとに違う(ダートは50前後、芝の長距離は55を超える)ので、
このサイトでは絶対値ではなくそのコースの平常との差で判定している。
前半3F・後半3Fは秒で、実測ラップから取る。ラップ未取得のレースは1200m戦のみ
RPCI から逆算し(誤差 MAE 0.025秒で検証済み)、それ以外の距離は「―」と表示する。
コース基準は同じ競馬場・同じ距離・同じ馬場状態の平均。
今回同コース・同距離の平均(72走)縦軸は上ほど速い。線が上がった区間がペースアップ。
同じレースの過去
このレースが過去にどう流れたか。前3F・後3Fは実測ラップで、決まり手の横の
「推」はラップ未取得のため RPCI から逆算した値であることを示す。
| 年 | 場 | 前3F | 後3F | 勝時計 |
1着4角 | 2着4角 | 決まり手 |
| 2016 | 中山 |
36.1 | 35.9 |
2:32.6 |
3 | 2 |
先 |
| 2017 | 中山 |
36.4 | 35.2 |
2:33.6 |
1 | 3 |
逃 |
| 2018 | 中山稍 |
36.2 | 36.9 |
2:32.2 |
4 | 8 |
先 |
| 2019 | 中山 |
35.1 | 37.6 |
2:30.5 |
9 | 7 |
差 |
| 2020 | 中山 |
37.0 | 36.6 |
2:35.0 |
3 | 12 |
マ |
| 2021 | 中山 |
35.6 | 36.7 |
2:32.0 |
5 | 5 |
差 |
| 2022 | 中山 |
36.0 | 35.9 |
2:32.4 |
3 | 6 |
先 |
| 2023 | 中山 |
36.2 | 35.9 |
2:30.9 |
3 | 2 |
マ |
| 2024 | 中山 |
37.6 | 35.2 |
2:31.8 |
3 | 5 |
先 |
| 2025 | 中山 |
35.8 | 35.6 |
2:31.5 |
11 | 2 |
追 |
トラックバイアス
5回中山 7〜8日目(12/27〜28 計2日)の芝全レース
差し有利確度: やや3着内の4角位置率 基準比 +0.003 / 先行馬の複勝圏率 基準の0.82倍
クッション値9.5-0.3軟らかめ芝含水率11.3%-0.1平年並み数値の傾き 平年並み
クッション値と含水率はJRA発表の実測値。右の数字は同じ競馬場の直近3年・同じ月の平均との差で、絶対値は場ごとに常態が違うため見ない。過去17,103レースの集計では、芝は平年より硬いほど前が残り湿るほど差しが届き、ダートは湿るほど前が残る。ただし効き幅はバイアス判定の閾値には届かず、傾きを少し押す程度。
脚質バイアス(同じ開催週の年別比較)
4角位置率=(4角順位−1)÷(頭数−1)。0が先頭、1が最後方で、小さいほど前が有利。
複勝圏率は4角2番手以内につけた馬が3着以内に入った割合。最下段の「基準」は、この競馬場・
この馬場種別の全期間平均。
| 年 | 1〜3着の4角位置率 | 4角2番手以内の複勝圏率 | 母数 |
| 2021 |
0.253 |
39.3% |
28 |
| 2022 |
0.299 |
36.7% |
30 |
| 2023 |
0.206 |
48.3% |
29 |
| 2024 |
0.224 |
46.7% |
30 |
| 2025 |
0.256 |
36.7% |
30 |
| 基準 | 0.251 |
45.0% |
14,987 |
時計水準(比較できたレースのみ)
この開催週の全レース一覧ではない。同条件(距離×クラス×馬場状態)の
過去の勝ち時計が5件以上あるレースだけを載せている。少ない標本の中央値と比べても
偶然に振り回されるため。道悪の日は該当条件が少なく、載らないレースが多くなる。
マイナスは過去中央値より速い=時計の出る馬場。
| 日 | R | 条件 | 勝時計 | 同条件の過去中央値との差 | 標本 |
| 12/27 | 4R |
2000m 未勝利良 |
2:01.9 |
+0.6 |
n=63 |
| 12/27 | 5R |
1600m 新馬良 |
1:35.1 |
-0.9 |
n=34 |
| 12/27 | 7R |
2200m 1勝良 |
2:14.7 |
+0.9 |
n=16 |
| 12/27 | 9R |
1200m 2勝良 |
1:07.8 |
-0.3 |
n=32 |
| 12/27 | 11R |
2000m G1良 |
2:01.0 |
+1.0 |
n=8 |
| 12/27 | 12R |
2500m 3勝良 |
2:35.5 |
+3.1 |
n=6 |
| 12/28 | 3R |
1200m 未勝利良 |
1:09.1 |
+0.0 |
n=17 |
| 12/28 | 6R |
2000m 新馬良 |
2:03.6 |
+0.3 |
n=32 |
| 12/28 | 9R |
2500m 2勝良 |
2:33.6 |
+1.1 |
n=19 |
| 12/28 | 12R |
1600m 3勝良 |
1:33.6 |
+0.4 |
n=19 |
上がり最速馬はどこまで来たか
この開催週の各レースで、メンバー最速の上がり3Fを使った馬の着順。
6着以下なら赤で示す。速い脚を使った馬が届いていないほど、前が止まらない馬場だったことになる。
-
12/27 4R 2000m
シルバーゴールド 上り36.0・4角8
2着
-
12/27 5R 1600m
ブルームコード 上り35.0・4角11
5着
-
12/27 7R 2200m
ノクターン 上り35.0・4角11
2着
-
12/27 9R 1200m
スターウェーブ 上り33.9・4角13
5着
-
12/27 10R 4100m
フェーレンベルク 上り14.0・4角3
3着
-
12/27 11R 2000m
ロブチェン 上り34.5・4角7
1着
-
12/27 12R 2500m
メイテソーロ 上り34.2・4角11
11着
-
12/28 3R 1200m
ツルノマイハシ 上り34.8・4角8
6着
-
12/28 6R 2000m
レッドレガリア 上り34.8・4角12
2着
-
12/28 9R 2500m
ピックデムッシュ 上り35.5・4角9
2着
-
12/28 11R 2500m
ミュージアムマイル 上り34.6・4角11
1着
-
12/28 12R 1600m
ジョイフルニュース 上り33.4・4角4
1着
レースの読み
ラップは 6.9-11.0-11.8-12.2-12.1-12.6-12.4-12.0-12.6-12.3-11.9-11.6-12.1。中盤で12.6-12.4、さらに9F目にも12.6が入って二度息が入り、そこからラスト3Fを11.9-11.6-12.1でまとめている。RPCI 52.8は中山芝2500m良の基準54.7を1.9下回る前傾寄り。前半3F 35.8・後半3F 35.6とほぼ均衡しており、数字の上では極端さのない流れだった。
それでも決着は差し優勢になった。この開催の中山芝は先行馬の複勝圏率が基準の0.82倍で、判定は「差し有利・やや」。上がり最速34.6を使ったのが4角11番手のミュージアムマイルと4角12番手のレガレイラ(1番人気)で、上がり上位3頭はいずれも中団より後ろ。5着サンライズジパング(13番人気)に至っては4角16番手=最後方から上がり34.8(3位)で0.8秒詰めている。
この結果は有馬記念としてはかなり珍しい。同レースの過去10年を見ると、勝ち馬の4角位置は2016年から順に 3・1・4・9・3・5・3・3・3番手で、9年中8年が5番手以内。9番手だった2019年(リスグラシュー)が唯一の例外だった。そこへ11番手からの勝利が出たのだから、この年の中山の差し有利は、有馬記念という条件に限れば十分に効いたと見てよい。
一方、前にいた組は苦しかった。4角1番手のメイショウタバル(4番人気)は上がり36.7(15位)・詰め幅 -1.1で13着。4角3番手のタスティエーラが6着に粘ったのが前では最先着で、先行勢で掲示板に乗ったのは2着コスモキュランダ(4角2番手)だけ。そのコスモキュランダは12番人気での2着で、位置の利を最大限に生かした形になる。
勝ち時計2:31.5は過去10年では中位。最も速い2019年(2:30.5)、2023年(2:30.9)には届かず、2024年(2:31.8)より0.3速い程度で、時計そのものに特筆すべきところはない。この日の中山はクッション値9.5(同じ月の直近3年の平均より0.3低い)、芝含水率11.3%(-0.1)とほぼ平年並みだった。
全頭短評
着順・人気は結果、評価は内容ベース
- 通過
- 11→11 追
- 上り3F
- 34.6 1位
- 詰め幅
- +1.0
- 前走
- 天皇賞秋G1 2着 中8週
4角11番手から上がり最速34.6。10年ぶりの後方からの勝利
C.デムーロ、3番人気。天皇賞(秋)2着から中8週。16頭立ての4角11番手からメンバー最速34.6を使い、1.0秒詰めて差し切った。詰め幅はメンバー最大タイ。有馬記念で勝ち馬が6番手より後ろだったのは過去10年でこの年だけで、差し有利の馬場をはっきり味方につけている。前が止まらない条件でも同じ競馬ができるかが次の焦点。
- 通過
- 2→2 先
- 上り3F
- 35.5 6位
- 詰め幅
- +0.1
- 前走
- JCG1 9着 中4週
12番人気。4角2番手から粘ってクビ差2着
横山武史、12番人気。ジャパンカップ9着から中4週。差し有利の判定が出た日に4角2番手から0.1秒差まで粘った。上がりは35.5のメンバー6位で決め手で来たわけではないが、先行勢で掲示板に乗ったのはこの馬だけ。馬場に逆らっての2着は額面以上。
- 通過
- 8→7 差
- 上り3F
- 35.0 4位
- 詰め幅
- +0.6
- 前走
- JCG1 3着 中4週
2番人気3着。7番手から上がり4位で0.6秒詰め
戸崎圭太、2番人気。ジャパンカップ3着から中4週。4角7番手と中団から上がり35.0(4位)で0.6秒詰めての3着。位置も脚もバランスよく、取りこぼしの少ないタイプ。
- 通過
- 15→12 追
- 上り3F
- 34.6 1位
- 詰め幅
- +1.0
- 前走
- エリザベG1 1着 中6週
1番人気4着。12番手から上がり最速タイ34.6
ルメール、1番人気。エリザベス女王杯1着から中6週。4角12番手から勝ち馬と同じ34.6を使い、1.0秒詰めて0.2秒差の4着。位置はむしろ勝ち馬より後ろで、脚色は互角。届かなかったのは進路取りと位置の差で、負けて強しの内容。
- 通過
- 15→16 追
- 上り3F
- 34.8 3位
- 詰め幅
- +0.8
- 前走
- チャンピG1 8着 中3週
13番人気。最後方16番手から上がり3位で0.3秒差
鮫島克駿、13番人気。チャンピオンズカップ8着から中3週。ダートG1からの臨戦で、4角16番手=最後方から上がり34.8(3位)。0.8秒詰めて0.3秒差の5着まで押し上げた。人気薄でこの脚を使えたのは軽視できない。
- 通過
- 4→3 先
- 上り3F
- 35.7 9位
- 詰め幅
- -0.1
- 前走
- JCG1 7着 中4週
8番人気6着。差し有利の日に3番手から0.5秒差
松山弘平、8番人気。ジャパンカップ7着から中4週。4角3番手から上がり35.7(9位)、詰め幅 -0.1で0.5秒差の6着。差しが決まった日に前めで運んでこの着差なら、内容は着順より上。
- 通過
- 11→12 追
- 上り3F
- 35.2 5位
- 詰め幅
- +0.4
- 前走
- JCG1 5着 中4週
4角12番手(追)から上がり35.2(メンバー5位)。直線で0.4秒詰めた。472kg(+2)、前走はJCG1 5着(中4週)。
- 通過
- 8→7 差
- 上り3F
- 35.5 6位
- 詰め幅
- +0.1
- 前走
- 菊花賞G1 3着 中9週
4角7番手(差)から上がり35.5(メンバー6位)。直線で0.1秒詰めた。482kg(+2)、前走は菊花賞G1 3着(中9週)。
- 通過
- 4→4 先
- 上り3F
- 35.9 10位
- 詰め幅
- -0.3
- 前走
- 天皇賞春G1 5着 中34週
4角4番手(先)から上がり35.9(メンバー10位)。直線で0.3秒失った。490kg(+2)、前走は天皇賞春G1 5着(中34週)。
- 通過
- 11→12 追
- 上り3F
- 35.5 6位
- 詰め幅
- +0.1
- 前走
- メルCG1 23着 中8週
4角12番手(追)から上がり35.5(メンバー6位)。直線で0.1秒詰めた。前走はメルCG1 23着(中8週)。
- 通過
- 4→4 先
- 上り3F
- 36.1 13位
- 詰め幅
- -0.5
- 前走
- JCG1 止着 中4週
4角4番手(先)から上がり36.1(メンバー13位)。直線で0.5秒失った。498kg(+4)、前走はJCG1 止着(中4週)。
- 通過
- 7→7 差
- 上り3F
- 36.1 13位
- 詰め幅
- -0.5
- 前走
- マイルチG1 5着 中5週
4角7番手(差)から上がり36.1(メンバー13位)。直線で0.5秒失った。514kg(-6)、前走はマイルチG1 5着(中5週)。
- 通過
- 1→1 逃
- 上り3F
- 36.7 15位
- 詰め幅
- -1.1
- 前走
- 天皇賞秋G1 6着 中8週
4番人気が逃げて13着。差し有利の日に前へ行った
武豊、4番人気。天皇賞(秋)6着から中8週。4角1番手から上がり36.7(15位)・詰め幅 -1.1で1.1秒差の13着。先行馬の複勝圏率が基準の0.82倍という日に単騎で行った結果で、ペース自体は極端でなかったぶん、この敗戦は馬場要因として度外視したい。
- 通過
- 8→7 差
- 上り3F
- 36.0 12位
- 詰め幅
- -0.4
- 前走
- JCG1 8着 中4週
4角7番手(差)から上がり36.0(メンバー12位)。直線で0.4秒失った。496kg(-2)、前走はJCG1 8着(中4週)。
- 通過
- 11→12 追
- 上り3F
- 35.9 10位
- 詰め幅
- -0.3
- 前走
- 福島記念HG3 4着 中5週
4角12番手(追)から上がり35.9(メンバー10位)。直線で0.3秒失った。494kg(+10)、前走は福島記念HG3 4着(中5週)。
- 通過
- 2→4 先
- 上り3F
- 36.8 16位
- 詰め幅
- -1.2
- 前走
- アルゼンHG2 1着 中7週
4角4番手(先)から上がり36.8(メンバー16位)。直線で1.2秒失った。500kg(+0)、前走はアルゼンHG2 1着(中7週)。
次走に向けて
過去10年で勝ち馬が6番手より後ろだったのはこの年だけ。差しが決まった有馬記念だった。
| 馬 | 評価 | 理由 |
| ミュージアムマイル |
上げ |
11番手から上がり最速、詰め幅メンバー最大タイでG1制覇 |
| レガレイラ |
上げ |
1番人気4着だが12番手から勝ち馬と同じ上がり。位置の差だけ |
| サンライズジパング |
上げ |
13番人気で最後方から上がり3位。ダートG1からの臨戦で0.3秒差 |
| コスモキュランダ |
上げ |
差し有利の日に先行して唯一掲示板。馬場に逆らっての2着 |
| タスティエーラ |
上げ |
差し決着の中で3番手から0.5秒差。着順より中身 |
| メイショウタバル |
条件替わり |
差し有利の日に逃げての13着。前が残る馬場で見直したい |
ラップは極端でないのに差しが決まった一戦。同レースの過去10年と並べて初めて「この年は後ろから届いた」と言えるので、単年のバイアス判定だけでなく、同じレースの歴史と照らして読みたい。