Race Review — 2026年9月6日
紫苑ステークスG2
中山 4回2日目 11R
芝2000m(Bコース)
馬場 重・天候 雨
11頭
勝時計 2:03.5
雨の重馬場で、前に行った馬が全部止まった。4角1番手が6着、2番手が7着。上位5頭はすべて中団から後ろで、上がり36秒台を使えたのもその5頭だけ。ペース自体は重馬場として平均的で、消耗させたのは流れではなく馬場だった。
結果
詰め幅=上り3F地点の先頭との差 − ゴール着差
| 着 | 馬番 | 馬名 | 騎手 | 人気 | タイム | 着差 |
3角→4角 | 上り3F | 詰め | 馬体重 |
| 1 |
4 |
マスターソアラ牝3・55kg |
大野拓弥 |
6 |
2:03.5 |
― |
6→5差 |
36.22 |
+0.7 |
492+10 |
| 2 |
2 |
サムシングスイート牝3・55kg |
団野大成 |
4 |
2:03.6 |
0.1 |
9→7差 |
36.11 |
+0.8 |
498+10 |
| 3 |
9 |
ドリームコア牝3・55kg |
ルメール |
1 |
2:03.8 |
0.3 |
5→3先 |
36.75 |
+0.2 |
502+4 |
| 4 |
6 |
アストリル牝3・55kg |
ミシェル |
5 |
2:04.0 |
0.5 |
9→7差 |
36.54 |
+0.4 |
452-4 |
| 5 |
1 |
ジワタネホ牝3・55kg |
三浦皇成 |
10 |
2:04.1 |
0.6 |
11→11追 |
36.33 |
+0.6 |
442+0 |
| 6 |
8 |
ナイスプレーアスク牝3・55kg |
岩田康誠 |
9 |
2:04.7 |
1.2 |
1→1逃 |
38.19 |
-1.2 |
438+0 |
| 7 |
3 |
リアライズルミナス牝3・55kg |
津村明秀 |
2 |
2:04.9 |
1.4 |
3→2先 |
38.08 |
-1.1 |
492-10 |
| 8 |
5 |
ファムクラジューズ牝3・55kg |
菊沢一樹 |
8 |
2:04.9 |
1.4 |
6→7差 |
37.56 |
-0.6 |
410+8 |
| 9 |
11 |
ベンヴェヌータ牝3・55kg |
石橋脩 |
7 |
2:05.1 |
1.6 |
6→7差 |
37.87 |
-0.9 |
468+8 |
| 10 |
10 |
ジッピーチューン牝3・55kg |
北村友一 |
3 |
2:05.4 |
1.9 |
3→5差 |
38.410 |
-1.5 |
434+12 |
| 11 |
7 |
ロングトールサリー牝3・55kg |
杉原誠人 |
11 |
2:07.3 |
3.8 |
2→3先 |
40.611 |
-3.7 |
498+4 |
単勝 1,270 / 複勝 340・200・130 / 枠連 4,510 / 馬連 3,690 / 馬単 7,440 / 3連複 3,720 / 3連単 35,360
ラップとペース
基準=同コース・馬場良の平均(n=208)
今回のペース
同じ競馬場・同じ距離・同じ馬場状態の平均と比べた値。RPCIは大きいほど後傾(スロー)、
小さいほど前傾(ハイペース)。前半3F・後半3Fは実測ラップから取る。ラップ未取得のレースは
1200m戦のみ RPCI から逆算し(誤差 MAE 0.025秒で検証済み)、それ以外の距離は「―」と表示する。
| 指標 | 今回 | コース基準 | 差 |
| 前半3F | 36.9 |
36.36 | +0.5 |
| 後半3F | 36.9 |
35.46 | +1.4 |
| RPCI | 50.6 |
53.4 | -2.8 |
12.4-11.7-12.8-12.5-12.5-12.3-12.4-12.3-12.2-12.4
同じレースの過去
このレースが過去にどう流れたか。前3F・後3Fは実測ラップで、決まり手の横の
「推」はラップ未取得のため RPCI から逆算した値であることを示す。
| 年 | 場 | 前3F | 後3F | 勝時計 |
1着4角 | 2着4角 | 決まり手 |
| 2016 | 中山 |
34.8 | 35.7 |
― |
2 | 11 |
マ |
| 2017 | 中山 |
36.0 | 34.3 |
― |
11 | 5 |
差 |
| 2018 | 中山 |
35.1 | 34.2 |
― |
5 | 7 |
差 |
| 2019 | 中山 |
35.5 | 34.0 |
― |
3 | 4 |
先 |
| 2020 | 中山稍 |
36.3 | 35.9 |
― |
1 | 4 |
先 |
| 2021 | 中山 |
35.3 | 34.8 |
― |
5 | 10 |
差 |
| 2022 | 中山 |
35.9 | 35.1 |
― |
2 | 1 |
先 |
| 2023 | 中山稍 |
35.0 | 36.3 |
― |
14 | 3 |
追 |
| 2024 | 中山 |
34.7 | 34.0 |
― |
2 | 8 |
先 |
| 2025 | 中山 |
34.7 | 34.0 |
― |
1 | 5 |
逃 |
| 2026 | 中山重 |
36.9 | 36.9 |
― |
5 | 7 |
差 |
トラックバイアス
4回中山 1〜2日目(第1週)の芝全レース
フラット確度: 判定なし3着内の4角位置率 基準比 -0.029 / 先行馬の複勝圏率 基準の1.07倍
脚質バイアス(同じ開催週の年別比較)
4角位置率=(4角順位−1)÷(頭数−1)。0が先頭、1が最後方で、小さいほど前が有利。
複勝圏率は4角2番手以内につけた馬が3着以内に入った割合。最下段の「基準」は、この競馬場・
この馬場種別の全期間平均。
| 年 | 1〜3着の4角位置率 | 4角2番手以内の複勝圏率 | 母数 |
| 2022 |
0.251 |
45.2% |
31 |
| 2023 |
0.303 |
41.4% |
29 |
| 2024 |
0.332 |
50.0% |
24 |
| 2025 |
0.273 |
40.0% |
30 |
| 2026 |
0.224 |
48.0% |
25 |
| 基準 | 0.250 |
45.0% |
15,188 |
時計水準(比較できたレースのみ)
この開催週の全レース一覧ではない。同条件(距離×クラス×馬場状態)の
過去の勝ち時計が5件以上あるレースだけを載せている。少ない標本の中央値と比べても
偶然に振り回されるため。道悪の日は該当条件が少なく、載らないレースが多くなる。
マイナスは過去中央値より速い=時計の出る馬場。
| 日 | R | 条件 | 勝時計 | 同条件の過去中央値との差 | 標本 |
| 9/5 | 2R |
1600m 未勝利稍 |
1:33.8 |
-1.5 |
n=12 |
| 9/5 | 5R |
2000m 新馬良 |
2:03.3 |
-0.0 |
n=32 |
| 9/5 | 9R |
1800m 1勝良 |
1:47.5 |
-0.2 |
n=25 |
| 9/5 | 10R |
1200m 2勝良 |
1:07.0 |
-1.2 |
n=33 |
| 9/5 | 11R |
1600m G3良 |
1:32.0 |
-1.1 |
n=16 |
| 9/6 | 5R |
1600m 新馬稍 |
1:36.8 |
-1.3 |
n=7 |
| 9/6 | 7R |
2000m 未勝利重 |
2:04.4 |
+1.3 |
n=7 |
| 9/6 | 12R |
1200m 1勝重 |
1:10.0 |
+0.3 |
n=7 |
上がり最速馬はどこまで来たか
この開催週の各レースで、メンバー最速の上がり3Fを使った馬の着順。
6着以下なら赤で示す。速い脚を使った馬が届いていないほど、前が止まらない馬場だったことになる。
-
9/5 2R 1600m
シュガーシャック 上り34.5・4角15
9着
-
9/5 4R 1800m
コスモプルー 上り34.7・4角4
1着
-
9/5 5R 2000m
ローザドーロ 上り33.8・4角5
2着
-
9/5 9R 1800m
アレクレア 上り33.8・4角15
5着
-
9/5 10R 1200m
ジャガード 上り33.1・4角12
9着
-
9/5 11R 1600m
フォルテアンジェロ 上り33.4・4角14
6着
-
9/6 2R 1200m
ワイズジュエル 上り34.7・4角11
9着
-
9/6 5R 1600m
ローザヴェローナ 上り34.7・4角5
2着
-
9/6 7R 2000m
サンクレゾン 上り35.9・4角16
3着
-
9/6 10R 1200m
ルーフ 上り33.8・4角9
5着
-
9/6 11R 2000m
サムシングスイート 上り36.1・4角7
2着
-
9/6 12R 1200m
ラエトゥス 上り34.7・4角16
6着
レースの読み
まず数字から。RPCIは50.6で、これは中山芝2000mの重馬場における平均値(50.6、n=27)とぴったり同じだった。つまり「ハイペースで前が潰れた」レースではない。良馬場の平均53.6と比べれば前傾に見えるが、重馬場は後半が落ちるぶん必ず前傾寄りに出るので、その比較は意味を持たない。
にもかかわらず前は総崩れだった。逃げたナイスプレーアスクが6着、2番手で運んだ2番人気リアライズルミナスが7着。上位5頭の4角は5・7・3・7・11番手で、掲示板を外れた6頭のうち4頭が4角3番手以内だった。前に行った馬が止まったのではなく、重馬場で脚が上がるのが早かったという方が正確だろう。
上がり3Fの分布がそれを裏づける。上位5頭が36.1〜36.7で固まり、6着以下は37.5〜40.6。1秒近い断絶がある。11頭立ての少頭数で息が入りそうな組み合わせだったが、実際には脚を溜められた馬とそうでない馬がはっきり分かれた消耗戦だった。
注意しておきたいのは、これが「その日の中山芝のバイアス」ではないことだ。開催週2日間で見た中山芝は先行馬の複勝圏率が基準の1.07倍でフラット、9月6日の単日で見てもフラットだった。同じ日の中山芝2000m(7R)では4角16番手の馬が上がり最速で3着に届いている。差しが効いたのはこのレースの馬場と流れの問題で、開催全体の傾向ではない。
全頭短評
着順・人気は結果、評価は内容ベース
- 通過
- 6→5 差
- 上り3F
- 36.2 2位
- 詰め幅
- +0.7
- 前走
- クイーンG3 4着 中29週
7か月ぶり・初2000m・初の重馬場で勝ち切った
シスキン×ダイワメジャー。これがキャリア3戦目で、東京芝1600mの新馬を勝ってクイーンC4着、そこから中29週の休み明けだった。距離は初めての2000m、馬場も初めての重、鞍上も横山武史から大野拓弥への乗り替わり。条件は何ひとつ経験がないなかで、4角5番手から上がり36.2(メンバー2位)でまとめ、直線だけで0.7秒詰めている。6番人気での勝利だが、内容に紛れはない。ただし裏を返せば良馬場での2000mはまだ未知で、勝ち時計2:03.5も重馬場を考慮しても平凡。次走で人気を背負ったときも同じ内容を出せるかは、また別の話になる。
- 通過
- 9→7 差
- 上り3F
- 36.1 1位
- 詰め幅
- +0.8
- 前走
- 1勝クラス・牝 1着 中5週
メンバー最速の上がりで0.1秒差。まだ底を見せていない
サートゥルナーリア×ヴィクトワールピサ。フローラSは出走取消、そこから立て直して前走の1勝クラス(中京芝2000m)を勝ったばかりでのG2挑戦だった。4角7番手から上がり36.1はメンバー最速で、直線で0.8秒詰めての2着。勝ち馬と同じく脚を溜める形が嵌まったとはいえ、クラスを2つ上げて即通用した事実は大きい。この夏で急に良くなってきた印象で、まだ底を見せていない。
- 通過
- 5→3 先
- 上り3F
- 36.7 5位
- 詰め幅
- +0.2
- 前走
- 優駿牝馬G1 2着 中15週
1番人気で前め追走。重馬場を我慢しての3着なら及第点
キズナ×ハービンジャー、ルメール。オークス2着・クイーンC2着の実績馬で、当然の1番人気。今回は4角3番手と、上位に来た馬のなかでは最も前で運んだ。上がりは36.7(5位)で詰め幅も+0.2にとどまったが、前が総崩れになった流れのなかで0.3秒差に踏みとどまったのは評価してよい。本来は良馬場でオークス2着の切れ味を持つ馬で、この馬場のこの位置なら3着は妥当なところ。負けて強しとまでは言わないが、これで見限る内容ではない。
- 通過
- 9→7 差
- 上り3F
- 36.5 4位
- 詰め幅
- +0.4
- 前走
- かもめ島・2勝 2着 中7週
重馬場は苦にしない。条件戦から順当に押し上げた
デクラレーションオブウォー×ハービンジャー。前走のかもめ島特別(函館芝1800m・重)で2着があり、道悪は苦にしないタイプ。4角7番手から上がり36.5で0.5秒差なら、2勝クラス相当の力は出し切っている。452kgと小柄で、消耗戦になった今回はむしろ向いた面もありそう。相手強化での上積みは慎重に見たい。
- 通過
- 11→11 追
- 上り3F
- 36.3 3位
- 詰め幅
- +0.6
- 前走
- 未勝利・牝 1着 中5週
10番人気、最後方から0.6秒詰めて5着
サートゥルナーリア×ディープインパクト。前走で未勝利を勝ったばかり(新潟芝2000m)、つまりまだ1勝馬でのG2挑戦だった。4角11番手=最後方から上がり36.3(3位)を使い、直線で0.6秒詰めての5着。展開が向いた面は当然あるが、キャリアの浅い1勝馬がこのメンバーで掲示板に載った事実は残る。距離2000mも合っている。次に条件戦へ戻れば、素直に狙える立場になる。
- 通過
- 1→1 逃
- 上り3F
- 38.1 9位
- 詰め幅
- -1.2
- 前走
- 1勝クラス・牝 1着 中8週
逃げて上がり38.1。この馬場では厳しかった
前走の1勝クラス(函館芝1800m)を逃げ切っての参戦で、今回もハナへ。ただ重馬場で最後は上がり38.1まで落ち、1.2秒差の6着。ペースが極端だったわけではないので、単純に相手と馬場が厳しかったということだろう。良馬場の条件戦に戻ればまた違う。
- 通過
- 3→2 先
- 上り3F
- 38.0 8位
- 詰め幅
- -1.1
- 前走
- 燕特別・1勝 3着 中5週
2番人気。前で動いて止まった、敗因の明確な7着
シルバーステート×ルーラーシップ。フローラS3着、オークス4着と重賞で結果を出してきた実力馬で、前走の燕特別も3着。今回は4角2番手と積極的に運んだが、上がり38.0まで落ちて直線で1.1秒失った。この馬場でこの位置は最も損な形で、能力を疑う内容ではない。オークス4着の実績は良馬場でのもので、次に良馬場に戻れば普通に見直せる。人気を落とすようなら妙味がある。
- 通過
- 6→7 差
- 上り3F
- 37.5 6位
- 詰め幅
- -0.6
- 前走
- フローラG2 10着 中19週
410kgの小柄な馬体で重馬場は応えた
ベンバトル×ディープインパクト。410kgと小柄で、東京の良馬場で上がり33〜34秒台を使ってきたタイプ。前走フローラSも10着で、消耗する馬場は明らかに向かない。上がり37.5の8着は着順どおりだが、条件が噛み合わなかったと見るべきで、軽い馬場に戻ってからの評価としたい。
- 通過
- 6→7 差
- 上り3F
- 37.8 7位
- 詰め幅
- -0.9
- 前走
- ミモザ賞・1勝 1着 中23週
キャリア2戦、5か月半ぶりでは苦しい
ロゴタイプ×タートルボウル。新馬勝ち、ミモザ賞勝ちの2戦2勝で臨んだが、前走から中23週。休み明けかつ初の重賞、初の重馬場と条件は厳しかった。4角7番手から上がり37.8で1.6秒差。まだ底は見えていないが、この一戦では何も分からない。
- 通過
- 3→5 差
- 上り3F
- 38.4 10位
- 詰め幅
- -1.5
- 前走
- 桜花賞G1 3着 中21週
3番人気10着。距離もローテも言い訳が立つ
ロードカナロア×City Zip。桜花賞3着、クイーンC2着とマイルで結果を出してきた馬で、初の2000mが中21週の休み明けという臨戦だった。4角5番手から上がり38.4(10位)と失速したが、血統も戦績も明らかに1600m型。重馬場自体は未勝利勝ちの実績があるので、敗因は距離とローテと見るのが自然。マイルに戻ったときが狙い目になる。
- 通過
- 2→3 先
- 上り3F
- 40.6 11位
- 詰め幅
- -3.7
- 前走
- 筑紫特別・1勝 3着 中7週
上がり40.6。馬場が全く合わなかった
キタサンブラック×Global Hunter、福永祐一厩舎。4角3番手から上がり40.6で3.8秒差の最下位。他馬と1秒以上違う上がりで、重馬場への適性がなかったということだろう。オークス11着からの臨戦でもあり、この一戦は度外視してよい。
次走に向けて
1〜3着馬が秋華賞(京都芝2000m)への優先出走権を得た。ただし今回は重馬場の消耗戦で、良馬場に戻ったときの序列は今回の着順とかなり違う可能性がある。
| 馬 | 評価 | 理由 |
| サムシングスイート |
上げ |
メンバー最速の上がりで0.1秒差。1勝クラスからの連戦で、まだ底を見せていない |
| ジワタネホ |
上げ |
10番人気・1勝馬が最後方から0.6秒詰めて5着。条件戦に戻れば素直に狙える |
| リアライズルミナス |
上げ |
敗因は重馬場×4角2番手という位置。オークス4着の実績は良馬場のもので、人気を落とすなら妙味 |
| マスターソアラ |
据え置き |
休み明け・初2000m・初の重馬場を克服した内容は本物。ただし良馬場での裏付けはまだない |
| ドリームコア |
据え置き |
前めで重馬場を我慢しての0.3秒差なら及第点。本来は良馬場のオークス2着馬 |
| ジッピーチューン |
条件替わり |
1600mに戻してこそ。2000m×休み明けの一戦は度外視でよい |
| ナイスプレーアスク |
下げ |
逃げて1.2秒差。重賞での通用の目処はまだ立たない |
紫苑Sは「重馬場の消耗戦で、脚を溜められた馬だけが上位に来た」レース。前で運んだ人気馬(リアライズルミナス2番人気7着)が沈み、後ろから運んだ人気薄(ジワタネホ10番人気5着)が来たのは、能力の序列ではなく位置取りと馬場の産物にすぎない。秋華賞が良馬場で行われるなら、今回の着順はかなりの部分を割り引いて読み直す必要がある。